ホスピタリティマネジメントの教科書

組織でホスピタリティに取り組み、ウイズコロナ時代でも生涯顧客を増加させる技術をお伝えします

今こそ「資本論」

 

NHKの100分で名著資本論が面白かったのです。

 

特に第三回の「イノベーションがクソどうでもいい仕事を生む」は鮮烈で、

何故ホスピタリティを実践するのが困難なのか?を教えてくれます。

 

 

 

 

 

 

キーワードは労働における

「構想」と「実行」の「分離」

だと言います。

 

 

構想とは計画を練ることであり(精神的労働)

実行は商品を作り上げること(肉体的労働)

 

 

番組では、例として土鍋職人をあげています。

 

職人はどんな土鍋にするか、耐久性やどんなデザインにしようか考えて(構想)

それを実際に手を使って土を捏ね、形成し焼いて作り上げます(実行)

 

しかし、職人仕事では資本家が望んでいるコストで、望んでいる量を作ることができません。

より安く沢山生産して市場で勝ち、利益を増やすことができないのです。

 

そこで資本家は職人の経験や勘を分析し細分化して、

労働者に分業させることにしました。

 

マニュアル化して単純作業にさせることで、

素人でも作ることが可能になり、生産性が向上します。

 

例は製造業でしたが、現代のサービス業でも全く同様なことが発生します

マニュアルさえあれば、誰でもできるし誰にでも均一的なサービスを提供できるのです。

 

 

問題は構想の機会を奪われ、分業の中でコマの一つとして働くことは、

いつまでたっても「実行」に必要なスキルも蓄積されないということです。

素人なので職人のように口答えもしません。

 

この分離はイノベーションにより先鋭化するのだそうです。

更に資本家は人間が機械のペースに合わせるように仕組み化します。

 

番組では資本主義におけるAIやロボットなどイノベーション

労働者を重労働や複雑な仕事から開放するためではなく

労働者を効率的に支配し管理するための技術なのです

 

そんな中では仕事における何かを生み出す喜びも、達成感も無い。

だから仕事はよりつまらなくなります。

 

マルクスはこの状況を打破するためには、労働における

構想と実行の統一を目指し自律性を取り戻すべきと主張します。

 

ホスピタリティマネジメントが目指すところは

全スタッフが「目の前の顧客に対して、何を求めているのか自分で考え自分で行動すること」 を

組織で可能にすること。

 

まさに構想と実行を統一させることです。

 

これを理解せずホスピタリティを行おうとすると、

頓珍漢なマネジメントになってしまいます。

 

150年前に書かれた「資本論」、今だから理解すべきだと思いました。

 

 テキスト買ってしまいました。

 

 

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奇跡の食品とも言われる石川県名産「ふぐのこ」。猛毒を持つふぐの卵巣を糠に2年以上漬けたものです。何故無毒化されるのか、未だに不明だそうです。これも資本論に書かれた、すべての物に価値を与え商品化するという例でしょうか?これでペペロンチーノを作ってみましたが絶品でした!

ドミニカ共和国の皆さんに研修を行いました

JICAの事業でお声掛けいただき、ドミニカ共和国の観光関係者向け動画研修を収録しました

 

「日本の経験に基づく持続可能なコミュニティ・ツーリズム推進の 研修プログラム」の中の1コマで、内容はホスピタリティマネジメントです

 

30分×2回の1時間なのですが、通訳が入るので実質30分にまとめなければいけません。

 

一昨年、中国の企業様にホスピタリティ研修をした時も同じことを感じましたが、ホスピタリティの本質を抽出し見直す良い機会となりました。

 

世界の色々な国の方達にお役に立てることが、とても嬉しく思います!

 

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使用した資料の自己紹介部分。ドミニカ共和国スペイン語圏なのです。

 

ウイズコロナ時代のホスピタリティマネジメント③

前回

CS(顧客満足)とは
お客様の「事前期待」に対して、実際に受けた「認知」との「差(ギャップ)」である

 

認知が事前期待を上回れば顧客満足の状態になり、

認知が事前期待を下回れば不満足になる

 

とお伝えしました

 

 

 

問題はこの「事前期待」です。

 

 

「事前期待」には幾つかの特徴があります

 

①一人一人期待していることは違う

②サービスの受け取り方も一人一人違う

③事前期待と認知がイコールの時は満足に状態にならない

④事前期待のレベルは上昇し続ける

 

①と②は当たり前のことですが、これがホスピタリティの核の部分です。

一人一人の期待が分かるような仕組みを作ることで、ホスピタリティは組織で実現可能になります。

 

③についてはピンと来ないかもしれません。

実際にはピッタリイコールの状態が中々ないからです。

 

しかし、自分がお客様になりきって考えてみてください。

自分が期待していたものとピッタリ同じものを提供された時の感情を

「普通」「当たり前」といった気持ちになりませんか?

 

実は事前期待と認知が全く同じだと満足の状態にならないのです。

①がわかったとしても、それを上回りギャップを作る必要があることが

ホスピタリティ実現のハードルを高くしています。

 

そして④の事前期待は上昇し続けるというのは、

一度事前期待を上回る認知によってギャップ=満足を作ったとしても

次回再来する時はそこが事前期待になるので、同じことを提供しても

③の状態「当たり前」になってしまうからです。

また競合企業のレベルが上昇した時も事前期待は上昇します。

 

社会インフラなどにも影響される時があります。

 

だから真のCS(顧客満足)は本当に難しいといえます。

 

セブンイレブンの商品開発をみているとCSに対する凄さが良く分かります。

 

ツナおにぎりは毎年味が変わります

おでんも出汁が変わります。地域ごとにも味を変えます。

セブンイレブンで最初にコーヒーを提供した時大ヒットとなりました

しかし、翌年には豆を変えローストを変えました。

 

ずっと同じ味だと、事前期待とピッタリイコールの「当たり前」になってしまうからです。

周りの競合が美味しくなると、「セブンイレブン美味しくなくなったね」という評価になります。

だから昔の鈴木会長は本社にいる時は毎日セブンイレブンのお弁当を食べて評価していたそうです。

 

CS活動とは毎日行い積み重ねていくことだと思います。

 

 

特にこのコロナ禍では顧客の価値を決める基準判断が大きく変わっています

 

例えばコロナ対策でマスク着用・検温・消毒・間仕切りが「当たり前」、じゃあ競合と横並びのこの環境からお客様の満足度を高める差(ギャップ)を作るには?

という自問自答する考え方が必要になるのです。

 

*ホスピタリティについて、拙著「おもてなしを売上に変える技術」に詳しく書かれています。

ご興味をお持ちの方は、是非お読みください!!

 

 

 

 

 

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ウイズコロナ時代のホスピタリティマネジメント②

前回このブログで最終的に目指す姿を

「自組織におけるホスピタリティを定義し、現場で実現するための活動指針を決定する」

としました

 

何故定義が必要なのか?

 

実はホスピタリティに対する

統一見解はまだ無いからなのです。

マーケティングやマネジメントのように定義が決まっていません。

 

 

 

 

ですから私が色々お伝えしていくのを参考にして頂き、自組織に合ったホスピタリティを言語化して欲しいのです。

 

今は民間企業だけではなく、自治体でも政策の中でホスピタリティという文言が出てきます。

しかし、自治体のホスピタリティ研修でホスピタリティとは何ですか?と問うても

答えられない方がほとんどです。

 

人間は言語化できないものを行動に移すことは不可能です。

 

ですから、ホスピタリティを自組織にあった定義を決めておくことが、とても重要なのです。

 

 

 

何故ホスピタリティを組織で行うと、生涯顧客が増えるのか?

 

顧客満足度=CS」が大きく上がるからです。

 

ここで質問です。

「CS 顧客満足度とは何ですか?」

 

 

 

この「CS」や「顧客満足度」という言葉も組織のスローガンなどでよく使われています。

もちろんご存知の方もいらっしゃいますが

ホスピタリティ同様、改めて「顧客満足度の定義は?」と訊かれて

即答できる方は意外と少ないものです。

皆さんは如何でしょうか。

 

 

では答えです。

 

「お客様の<事前期待>に対して、実際に受けた<認知>との<差>である」です。

 

「事前期待」とはお客様が、そこの財(商品)やサービスに対して「こういうモノが有る筈」「こんなサービスをしてくれるだろう」という事前に希望している内容です。

 

「認知」とはお客様が実際に受けたサービスの事です。

 

 

 

認知が事前期待を上回れば顧客満足の状態になり、

 

認知が事前期待を下回れば不満足になり、乖離が著しく大きくなった時クレームになります。

 

クレーム発生要因も同じなのです。

 

この「差」「ギャップ」という考え方は、ホスピタリティに限らずとても大事だと思います。

また後半に出て来る予定です。

 

ウイズコロナ時代のホスピタリティマネジメント①

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

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北海道神宮の初詣も、蜜を避けるため早朝に。ガラガラでした。

 

 

さて昨年から続くコロナ禍は一向に収まる気配がありません。

飲食店、小売店、ホテルなど接客を行うサービス業の皆様にとって、

 

コロナ前は

「誰でも、なるべく沢山のお客様に来て欲しい」

という状態だったはずです。

 

ところがコロナ禍になると

入店時の検温、消毒、マスク着用、スタッフとの仕切り…

 この変化は

「顧客はもしかしたら我々に危害を与える存在」と表現していることであり

「許可したものだけが、利用できる」状態に大きく様変わりしました。

 

今迄の「ホスピタリティ」の前提が崩れてしまったのです。

 

 

そこでこれからこのブログで

ウイズコロナ時代においても

生涯顧客を増加させ、従業員の定着率を向上させる

「ホスピタリティマネジメントを現場で実行できるようにする」

ことを目的にお伝えしていきたいと思います。

 

皆様が目指す姿は

 

「自組織におけるホスピタリティを定義し、現場で実現するための活動指針を決定する」

です。

 

 

どうぞ宜しくお願いいたします。

*ホスピタリティについて、拙著「おもてなしを売上に変える技術」に詳しく書かれています。

ご興味をお持ちの方は、是非お読みください!!

 

 

 

 

 

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